急峻な山岳地形と雄大な稜線美で知られる祖母・傾・大崩山系は、起伏に富んだ岩峰群や切り立った崖、谷あいを走る幾筋もの渓谷など、複雑な地形地質をもち、四季折々で表情を変えるその独特な景観が、訪れる人々を魅了します。
標高が高く原生的な天然林が多く残された祖母・傾・大崩山系では、山の高さに応じ、暖温帯から冷温帯までの幅広い植生を見ることができます。また、特別天然記念物のニホンカモシカや、日本列島の成り立ちを表すとされる「ソハヤキ要素」の植物など、限られた地域にしか生育・生息しない希少な動植物が数多く存在する貴重な地域です。これら希少な動植物は絶滅の危険性にさらされており、分布地域の環境を大切に守っていくことが必要です。
※ソハヤキ要素:日本列島のうち、古くから陸地であった紀伊、四国、九州の山地帯に共通して分布する日本固有種のこと。